持株会社と株式持ち合い

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持株会社と株式持ち合い

持株会社

 

持株会社とは、他社の株式を多数所有して、その会社を支配・管理下に置くことを目的とする会社のことです。ホールディングカンパニー(Holding=保持、保有)とも呼ばれることがあります。

 

他の会社の支配のみを目的とする会社を「純粋持株会社」、本業を行う一方で他の会社を支配する会社を「事業兼営持株会社」といいます。

 

戦前では財閥本社が純粋持株会社を設立していましたが、戦後に制定された独占禁止法によって、持株会社の設立は禁止されました。その後の1997年に独禁法の改正が行われ、純粋持株会社は解禁されています。

 

 

金融持株会社

 

金融持株会社とは、金融機関の持株会社のことで、子会社のほとんどが金融に関する事業を行うものです。信託銀行や証券会社、保険会社などの事業を行い、金融サービスを効率よく提供することを目的としています。

 

銀行や保険会社などを子会社とする場合には、法律により設立の認可を受けなければならないものがあります。

 

 

株式持ち合い

 

株式持ち合いとは、協力企業間やグループ会社全体の経営戦略で、お互いに相手の発行済株式を保有し合い、経営の安定化をはかることをいいます。

 

第二次大戦後は、海外からの企業買収に対する懸念が高まり、安定した株主を確保する目的で持ち合いをする企業が増加しました。また、安定した取引が期待できるために、旧財閥を中心に株式持ち合いが頻繁に行われていました。

 

しかし、バブル経済の崩壊後、業績の悪い会社の持株を保有し続けることが、経営のマイナスとなることなどから、株式の持ち合いを解消する動きが活発化しました。これが「持ち合い解消売り」です。

 

ただ、近年では外国資本による敵対的買収などに対抗するために、株式持合いを再評価する動きもみられるようになっています。

 

 

金庫株

 

金庫株とは、企業が自社で発行した株式を買い戻して保有することをいいます。正式には「自己株式」ともいいますが、株主権を行使できないために、株券を金庫にしまっておくようなものであることから金庫株といわれています。

 

インサイダー取引や会社の支配の原因になることから、商法によって禁止されていましたが、2001年10月の商法改正により、金庫株が解禁となりました。

 

自社株の購入によって株式の消却が進むと、市場における株価の価値が安定する効果があります。

 

 

従業員持ち株制度

 

従業員持株制度とは、会社の社員に自社株を保有させる制度のことをいいます。メリットには、会社に対する忠誠心を養ったり、安定した株主を確保し社員の財産を増やすというものが挙げられます。

 

運営方法は、会社の従業員持株会に加入することで、給与や賞与から投資資金が天引きされて、自社株を購入するという形をとります。

 

上場企業のほとんどが従業員持株制度を採用しており、持ち株会が大株主ということも珍しくありません。

 

 

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