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財務諸表に関する用語
財務諸表
財務諸表とは、企業が経営成績や財務状態などを明らかにするための書類のことです。一般的には決算書と呼ばれます。主に「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」「株主資本等変動計算書」などが含まれます。
なお、財務諸表とは金融商品取引法での呼称であり、会社法では計算書類と名称が変わります。
貸借対照表
貸借対照表とは、企業の事業年度末における財務状態を表す決算書で、バランスシートとも呼ばれています。
企業の一定時点における資産、負債、純資産を記載しており、投資情報の収集に必要となる書類です。
損益計算書
損益計算書とは、企業の一定期間における経営成績を表すために、発生した収益と費用の内訳を示した計算書のことをいいます。P/Lと略されることもあります。
収益から費用を引いたものが利益となり、株主や債権者などに経営状態に関する情報を提供しています。
事業報告
事業報告とは、決算期ごとの会社の事業の状況を記載した書類のことで、非財務情報を取り扱っています。2006年の会社法より、「営業報告書」から呼称が改められています。
株主資本等変動計算書
株主資本等変動計算書とは、1決算期の間に貸借対照表の純資産の「株主資本」等が、どう変動したのかを表す計算書のことをいいます。株主資本とは、資本金や利益余剰金のことを指します。
2006年に会社法が施行される以前は、利益処分計算書(利益処分案)という財務諸表でした。余剰金の変動を計算書に記載して株主に知らせるためにも作成されます。
キャッシュフロー計算書
キャッシュフローとは、現金の流入と流出のことを指します。キャッシュフロー計算書では、
- 営業活動によるキャッシュフロー
- 投資活動によるキャッシュフロー
- 財務活動によるキャッシュフロー
の区分に分けて表示します。
キャッシュフロー計算書では、資金とは現金と現金同等物のことを指します。現金には、普通預金や当座預金なども含まれています。
現金同等物とは、容易に換金可能であり、リスクが少ない短期的な投資のことをいいます。
具体的には、定期預金、譲渡性預金、コマーシャルペーパー、公社債投資信託などが該当します。
また、営業活動によるキャッシュフローの表示方法には、直接法と間接法の2つがあります。直接法は、主要な取引ごとに収入総額と支出総額を総額表示する方法です。
一方の間接法は、利益から非資金性費用を加算して資産・負債の加減して表示する方法です。ほとんどの会社では、間接法を採用しています。
有価証券報告書
有価証券報告書とは、金融商品取引法で規定されている、事業年度ごとに会社の営業活動や財務内容を記載した開示資料になります。略して「有報」とも呼ばれています。
その内容は、監査報告書が付された財務諸表、その他の財務情報が記載されている「経理の状況」が主になります。そのほか、事業の状況、設備の状況、提出会社の状況なども含まれています。
他社の有価証券報告書と比較することで、株式投資の際の重要な判断材料となります。証券取引所などで閲覧が可能です。
なお、有価証券報告書の虚偽記載は、金融商品取引法に違反する犯罪となり、証券取引所の上場廃止基準に該当し、懲役刑まで定められています。
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