資金調達の方法とレバレッジ効果
ノンリコースローンで資金調達
不動産取得時に一番考えなければならないのが資金調達についてです。ごく一部には手持ちの資金だけで購入できる人もいますが、多くの人はローンによって借り入れて資金調達を行います。最近のファンドやプロの投資家などでは、ノンリコースローンという方法で資金を調達するのが主流となっています。
- ノンリコースローン・・・従来型のローンは借り手の資産・信用に基づいて弁済を求めることができる(連帯保証人などに遡及可能)であるのに対して、ノンリコースローンでは返済原資となる担保が限定されており、借り手のリスクが限定できる融資。債務不履行時には、保証や求償がほかに及ばない。
ローンが調達できない場合は不動産を取得することはできませんが、ローン契約と不動産の売買契約は原則として別々のものになります。一方がキャンセルとなった場合でも、もう片方はキャンセルできないので、損害賠償や違約金の問題に発展するケースも発生してきます。実際には、弁護士にそれぞれの契約書を見てもらい、損害賠償の負担が最小になるように、双方の契約を関連付ける工夫をしています。
レバレッジ効果でハイリスクハイリターン
一部のプロの投資家では、自己資金があってもあえてローンを調達するケースもあります。わざわざ金利を払ってまでローンを調達する理由は、レバレッジ効果による利回りの向上を目的としています。
- レバレッジ効果・・・ローン金利が運用利回りよりも低いことを利用して、ローンを厚くすることによって少ない自己資金でハイリターンを狙う方法のこと。レバレッジとは梃子(てこ)の意。ローン部分をデット、投資家の資金をエクイティと呼ぶ。
ただ、ローンを借りてレバレッジをきかせることでより多くの利回りが得られますが、見方をかえると投機的な投資戦略であるともいえます。不動産からの収益がプラスになるときは利回りも大きく加速しますが、収益がマイナスになると利回りも一気に悪くなって、元本割れするケースも出てきます。レバレッジをきかせるということは、ハイリスクハイリターンな投資となります。
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