リスクと利回りについて
不動産投資物件の利回りは物件によって異なっています。不動産の利回り(キャップレート)は以下のような関係式であらわされます。
利回り(%)=不動産の純利益(NOI)/収益価格
純収益とは賃料収入から管理費用などを引いて、手元に残った利益を指します。不動産の買い手や投資家は「期待利回り」を考えて、純収益と期待利回りから収益価格を算定します。
ただし、取引価格は売主との交渉により決まるので、予定より高い価格になる場合も多々あります。このようにして決まった取引価格で純収益を割れば、実際の利回りである「取引利回り」が出てきます。
一般的な不動産の利回りについては、不動産鑑定業者などが情報を収集しているので見当をつけることができます。しかし、個々の不動産の利回りについては、その物件に投資する投資家の期待や交渉結果によって左右されるため、固定的なものではなくなっています。
基準となる物件を決めて比較検討する方法
個別の物件の利回りについては、基準とするべき物件の利回りを決めて、それと比較することによって加減するという方法が一般的です。
例えば、東京にある物件を想定して、対象物件が地方物件であれば、東京の物件の賃料や価格は安定だが地方は下がると予想したり、地方の物件は管理がしにくいなどという点から、リスクが高いと判断するかもしれません。
そのような場合は、リスク上昇分の対価として期待利回りを上げます。同じように、賃貸の競争力が低下していくような物件では、利回りを上げる要素になります。
反対に、多くの人が知っているような大規模ビルの場合、安定的な収益が期待できるので、リスクを小さく見積もることができ利回りを低くすることが考えられます。
一般に、オフィスビルに比べてマンションや店舗はやや利回りが高く、倉庫やホテルという順番に利回りが高くなる傾向があります。
利回りの水準や格差について、最新の情報や目安を知りたいという方は、日本不動産研究所がネット上で公開している「不動産投資家調査」が便利です。不動産投資家にアンケートを実施して調べた「期待利回り」と、独自に調査した「取引利回り」がまとめてあります。
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