信用売りと逆日歩のコスト
逆日歩発生の仕組み
制度信用取引の場合は、証券会社は「証券金融会社」という機関から株を借りて、これを信用売りする顧客に貸すことができます。
- 証券金融会社・・・証券会社が貸借取引を行う際、資金や株を貸す専門の金融機関のこと。証券取引法の規定による免許制で、日本証券金融、大阪証券金融、中部証券金融の3社がある。
ただし、信用売りする人が多くなりすぎると、証券金融会社でも貸す株が不足してしまうという事態に陥ることがあります。このような場合、証券金融会社では、さまざまな株式を保有している銀行や保険会社などに、不足した銘柄を貸してくれるように呼びかけます。
このとき、無料で株を貸してはもらえないので、1株につきいくらかの品貸料も払うことになります。品貸料を払って集めた株券を、さらに信用売りする人に貸すことになるので、当然この費用は信用売りをする人にも負担してもらうことになります。
これが「逆日歩」と呼ばれるもので、信用売りして返済するまでに発生した逆日歩は、代金の精算時にいっしょに支払うことになります。
なお、株不足になって逆日歩が発生したときには、その銘柄を信用買いしている人も、品貸料をもらって株を貸した人たちを同じような立場になっています。これは、仕組みのうえでは、同じ銘柄を信用売りする人に貸している形になっているためです。
よって、逆日歩がついた銘柄を信用買いしている人は、この逆日歩分をもらうことができ、返済時に受け取れる金額として加算されます。
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