制度信用取引と一般信用取引の違いは?

制度信用取引と一般信用取引

投資家に多く利用されている「制度信用取引」

 

現在、日本の信用取引には「制度信用取引」と「一般信用取引」の2種類があります。このうち、投資家に多く利用されているのは制度信用取引になります。

 

 

制度信用取引は、1951年からはじまったもので、60年以上の歴史がある古い制度になります。返済期限は6ヶ月で、売買対象の銘柄や返済期限などのルールは証券取引所が決めています。

 

 

信用取引では、お金や株券は証券会社がその顧客に貸すことになりますが、とくに制度信用取引の場合は、証券会社は「証券金融会社」から顧客に貸すお金などを借りることができます。

 

 

制度信用取引の対象銘柄は「制度信用銘柄」と呼ばれており、東証一部上場銘柄のほとんどはその指定を受けています。さらに、制度信用取引のうちの8割以上は「貸借取引銘柄」の指定を受けています。これらの銘柄では、「売り」「買い」の両方が可能となっています。

 

 

「一般信用取引」では証券会社が独自にルールを決められる

 

一方、一般信用取引は、1998年からはじまった制度で、売買対象銘柄や返済期限などを、各証券会社が顧客との間で独自に決められるというものです。近年ネット取引が普及しはじめて、一般信用取引ができるところも多くなりました。

 

 

返済期限は、なしとしている「無期限」の例も多くみられます。無期限信用などと呼ばれています。

 

 

制度信用取引と一般信用取引の違い
  • 取引のルール

制度:取引所の決めたルールで行う
一般:各証券会社の決めたルールで行う

 

  • 売買対象

制度:買いは制度信用銘柄、売りは貸借取引銘柄で可能
一般:買いは原則として全上場銘柄、売りは証券会社で指定された銘柄で可能

 

  • 返済期日

制度:最長で6ヶ月
一般:無期限が多い(証券会社によって異なる)

 

  • 逆日歩

制度:かかる
一般:かからない

 

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