信用取引で取引できる額
委託保証金率とは
信用取引をはじめるために必要な委託保証金の最低額は「30万円」となっていますが、30万円あればどんな信用取引でもできるというわけではないことに注意が必要です。
各証券会社によると、「最低必要な委託保証金額は、取引額の30%、または30万円のどちらか高いほう」を定められています。この「取引額の30%」という部分を「委託保証金率」をいい、証券会社が個別に設定しています。
- 委託保証金率・・・信用取引をおこなった場合に、取引額に対し顧客が証券会社に入れる委託保証金の割合のこと。
例えば、1000円の株を2000株、信用取引で買いたいとき、委託保証金率が30%なら、1000円×2000株×30%=60万円 となり、30万円よりも高い金額となります。
よって、この場合の必要な委託保証金額は、30万円ではなく60万円となります。
これは、60万円の委託保証金で1000円×2000株=200万円までの取引が可能となることを意味しています。
最大いくらまで取引ができるのか
差し入れた委託保証金額に対して、最大いくらまで取引ができるのかは、委託保証金額÷委託保証金率によって計算することができます。
- 例1 委託保証金200万円の場合
200万円÷30%=666.6万円
- 例2 委託保証金200万円、株価1000円の株2000株の場合
株式の評価額が1000円×2000株×80%=160万円
(200万円+160万円)÷30%=1200万円
計算結果に示されているように、差し入れた金額の約3倍までの取引が可能であることがお分かりいただけると思います。
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