不動産の金利変動リスク

不動産の金利変動リスク

不動産投資では、金利が上昇してくると、投資家の収益を圧迫することになりますが、金利が上昇した分だけ収益が低下するものではないことも知っておく必要があります。

 

 

金利が上昇するときは、一般には景気が良くなっており、賃料の上昇によって純収益も上がる傾向があります。逆に、金利が低下するときは景気も悪い状態になっているので、賃料が下がり純収益も下がっていきます。金利上昇リスクと純収益減少リスクは反比例の関係になっていることが分かります。

 

 

これを踏まえ、金利上昇のリスクには十分注意しなければなりません。金利は短期間に大きく変動することがあり、一気に数%上がってしまう場合もあります。しかし、賃料はすぐには上がらず、テナントの入れ替えのときや数年ごとの更新のときなどにしか変動しません。

 

 

このような賃料の変動特性を「賃料変動の遅行性」と呼ぶことがあります。この特性により、金利が上昇した当初は、投資家のキャッシュフローにダメージが発生しやすくなっています。

 

 

固定金利と変動金利

 

変動金利の上昇によるリスクを回避する方法の1つに、はじめから固定金利による資金調達があります。ただ、固定金利は利率が高いことが欠点でもあります。

 

 

もう1つの方法として、金利キャップ(金利の上限を設定する金融商品)を購入するものがあります。変動金利で借りますが、一定の上限レート以上に金利が上昇した場合でも、上限レート以上の金利は払わなくてよいというものです。

 

 

これはデリバティブと呼ばれる取引の1つであり、期間中は、借り手は一定の手数料を払い続ける必要がありますが、固定金利で借りるよりは負担額が少なくなる見込みが高くなります。

 

 

長期的な不動産投資を考えていく場合は、固定金利よりも変動金利のほうがリスクを回避できると考えられています。変動金利では、賃料の上下と金利の上下が同じように働いていくので収益のぶれを緩和することができます。一方、固定金利の場合は、緩和が働かないために賃料の上下が収益にまともに影響を与えてしまうためです。

 

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