不動産の価格変動リスク

不動産の価格変動リスク

不動産投資の戦略では、不動産を売却するか否かにかかわらず、その時点での不動産の価格を想定しておくことが重要になります。価格が想定どおりになっていることもあれば、景気の動向の影響を受けて下がることも考えられます。

 

 

収益還元法

 

不動産の価格を計算するには、収益還元法による収益価格が最も分かりやすい手法であるとされています。その関係式は以下のようになります。

 

     不動産の純収益(NOI)÷利回り(キャッチプレート)=収益価格

 

この関係式から、NOIが上昇すると収益価格は上がり、NOIが下降すれば収益価格は下がるということが分かります。これは、投資期間中に賃料収入が下がれば、不動産の価格も下落するという意味になります。

 

 

ただし、利回りも収益価格に影響してきます。利回りとは、不動産の価格に対してこの程度の収益が欲しいという金額の割合であり、上昇することによって収益価格は下がっていきます。利回りが影響を受けるのは、不動産固有のリスクだけでなく、株式や債券などの他の不動産投資や金利・為替の動向など多岐にわたり、収益価格に反映されていきます。

 

 

また、利回りの比較の対象としてよく使われるものに、「イールドギャップ」があります。これは、リスクフリーレートに比べて、投資対象の利回りがどのくらい高いかの格差を示したもので、大きいほどリターンが大きいことを表しています。リスクフリーレートには10年国債などの利回りが使われています。

 

 

上がる不動産と下がる不動産

 

現在では、不動産の価格(地価)は二極化しているといえます。かつてのバブル期には、地価は一斉に上昇したり下落をするという現象がみられましたが、近年では上がる不動産があれば下がる不動産もあるという状態になっています。

 

 

都市部の地価は高騰しているのに、地方では地価が下落し続けている商業地などがあります。同じ地域内のビルであっても、収益が高いビルは高評価され、テナントが入らずに稼働率が低いビルの評価は低く見積もられています。物件の価格の推移を見るのには、J-REIT(不動産投資信託)が提供している情報を参照するとよいでしょう。J-REITの保有不動産の評価額の上昇・下落ランキングをみると、著しい変動があるのが分かります。

 

■J-REIT(不動産投資信託)
URL:http://www.japan-reit.com/page/data-top.html

 

このように、不動産の価格は、景気や地価の動向の影響を受けて上昇・下落していきます。また、個別物件ごとの要因でも変動していきます。不動産投資の際には、このような価格変動によるリスクがあることも把握しておかなければなりません。

 

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