機能的減価のリスク

機能的減価のリスク

機能的陳腐化とは?

 

近年では、ビル機能に関してさまざまな新サービスが開発されるようになりました。オフィスビルの場合、Sクラスビル、Aクラスビルなどの基準が設けられるようになっています。

 

設備についても、個別空調、OA対応フロア、セキュリティ管理体制の充実など、テナントのニーズは高まりつつあります。最新の設備が整ったビルには人気が集中して、空室率も低くなっています。

 

ところが、年月の経過とともに保有ビルの設備・機能が陳腐化してしまうと、競争力が低下して、テナントが賃料の値下げを要求してくる可能性があります。他の新しいビルに移転してしまうことも考えられます。このような、ビルの機能的陳腐化によって、賃料収入の減少という重大な問題が発生します。

 

ただし、むやみにビルの設備を高度化すればよいというわけでもありません。その地域において本当に必要な設備・機能は何であるのかを詳しく調査して、テナントニーズに対応したサービスを提供していくことが必要となります。

 

 

機能的陳腐化への対応策

 

機能的陳腐化への対処法を考えるにあたっては、入居ビルに対してテナント側が何を求めているのかを把握しておく必要があります。

 

日経不動産マーケット情報が2005年に発行した「第2回オフィスビルテナント調査報告書」では、ビルの空調・換気機能に関して不満点が多いことが分かります。細かくみていくと「温度調整がうまくいかない」「温度差が大きい」「空調費が高い」などの意見があります。よって、個別空調に対応したビルはテナントからの支持も高くなるでしょう。

 

また、セキュリティに対する要求水準も高くなっています。最新の機能が導入されていないビルは衰退していくでしょう。

 

 

ひとつひとつのクレームに対しては、そのたびにリニューアル(改修工事)をする方法もありますが、経済面からみて得策ではない場合もあります。よって、信頼のおけるプロパティマネジメント会社(PM会社)を選定して、対応策を考え、臨機応変にビルの設備・機能を更新していくのがよい方法です。

 

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